こんな症状でお悩みの方
認知症
認知症は、「通常、慢性あるいは進行性の脳疾患によって生じ、記憶、思考、見当識、理解、計算、学習、言語、判断等多数の高次脳機能の障害からなる症候群」(国際疾病分類ICD-10、WHO)と定義されています。
一般的に認知症と言う場合、アルツハイマー型認知症をモデルに、遠い昔のことは憶えているが、ごく最近のことを忘れたり、出来事そのものを忘れる病的なもの忘れを特徴とし、物盗られ妄想や幻覚がみられる病気と理解されています。他にも脳卒中による血管性、幻視とパーキンソン症状がみられるレビー小体型、性格変化が目立つ前頭側頭葉型認知症などやアルコール多飲によるもの、内科疾患を原因とするもの、事故や低酸素などによる脳障害によるもの、手術による回復の可能性のある正常圧水頭症など原因は様々です。 高齢化社会が進み、認知症の患者さんの数も年々増加しています。最新の疫学統計では65才以上の高齢者のおよそ15%、462万人あまりが認知症と考えられており、大きな社会問題となっています。
世界中で研究が進む中、進行した病気を元に戻す治療法は見つかっていませんが、進行を遅らせる薬物が現在4種類認められています。また、いわゆる生活習慣病が認知症の発症、増悪因子となることが解っています。 早期診断と早期治療が重要ですが、幻覚や妄想、興奮、徘徊が激しく家庭や施設での対応、内科病棟での合併症の治療が困難な場合、精神科での治療が必要となる場合があります。