うつ病・双極性障害
うつ病
気持ちが沈む、ということは誰もが経験することです。しかし一時的で日常生活に支障を来さない気分の落ち込みは、うつ病とはいいません。
うつ病とは、”物事に対する関心や取り組む意欲が失せて何もする気が起こらない状態が一日中、ほとんど毎日、2週間以上にわたって続いた状態”をさします。また、「眠れない」「食べられない」などさまざまなつらい症状も伴うため、日常生活に大きな支障を来すようになります。
厚生労働省が3年ごとに全国の医療施設に対して行っている「患者調査」によると、平成8年には43.3万人だったわが国におけるうつ病等の気分障害の総患者数は、平成20年には104.1万人と9年間で2.4倍に増加しています。ただ、この「患者調査」は、医療機関にかかっている患者数の統計データですが、うつ病患者の受診率は低いこともわかっており実際に治療を受けている人は、罹患者の25%程度とされています。つまりうつ病患者さんの4人に3人は適切な治療を受けていないというのが実情のようです。
また、うつ病に悩む人の多くは専門の精神科ではなく、まずは、一般の内科などを受診しているケースが多いことがわかっています。WHO(世界保健機関)が精神疾患と自殺との関係について調べた調査(平成14年)において精神疾患が原因で自殺した人のうち約3割がうつ病に該当したという結果が報告されていますがこの中には専門の治療を受けていかった方も多く含まれています。
このようにうつ病は死にかかわる問題だといえます。なるべく早めに専門医に相談することをお勧めします。
双極性障害
“うつ状態”のみが現れる『単極性うつ病』だけではなく、その対極にある元気が出過ぎるような”躁状態”も現れる『双極性障害』と呼ばれるタイプもあります。これは治療法が異なりますので”躁状態”を経験された方は、必ず医師に伝えるようにしてください。